習慣化の道具としてのTOEIC

 

英語は、使う人が学べばいい。

使わないのに学んでも、意味がない。

 

そして、私は英語を勉強することにした。

使う予定はないけれど。

 

外国人がやっている幼稚園に通っていた。

キャンパスが2つあり、大勢の子どもが通うマンモス校

 

小学校6年間も習い事として通うことができる。

英語を使って遊ぶのだ。

 

私はつまらなくて小学1年でやめた。

小学校の友達と遊ぶほうが楽しかった。

 

兄は6年間通って、アメリカにホームステイした。

しかし受験では、英語が足を引っ張った。

 

受験英語と実践英語の隔たりのせいかもしれなかった。

 

私は、英語を言語としてよりも、

クイズの要領で解いた。

 

なまじ生きた英語を学ぶと、死んだ受験英語には、

ついていけないのかもしれない。

 

受験英語がもっと生きていたら、よかったのだろうと思う。

文科省は、英語を生かしてほしいと思う。

 

幼少期の英語をドロップアウトした私は、

TOEICを始めた。

 

使う予定もないけれど。

ひとまず、点数化できることが魅力だった。

 

別に英語じゃなくてもよくて、

ただ習慣化ができない人間から、

習慣化できる人間になりたかっただけだった。

 

昔から習慣化が苦手だったから、

それを改めるためのTOEIC学習だった。

だから点数化は、ありがたかった。

成長が可視化できるから。

 

約10年ぶりの英語学習だった。

単語を忘れ、3単元のSってなんだっけとなり、

リスニングはまるで何を言っているのやら。

 

まぁ、リスニングはそもそも勉強したことがほとんどないから、

もともとできない。

 

目標は、700点にした。

 

大学生の時に、TOEICを2回受けたことがある。

1回目は普通に受けて550点。

2回目は、前日がコンビニバイトの夜勤明けで、眠くて寝た。

適当にマークして550点。

 

運でも実力でも550点だったので、

当時は、実力がないのだと感じた。

 

習慣化が目的だから、単語帳を買って、1日5単語からはじめた。

「金のフレーズ」という単語帳にした。

 

途中から、忘れる前提で、100単語をパラパラ眺めるように変えた。

脱完璧主義が習慣化の秘訣だ。

 

忘れてもいい。

単語帳を何周もすることで達成感が生まれてきた。

 

公式問題集と文法問題集も買った。

 

公式問題集のリスニングは、聞き取れない箇所を、

テキストと睨めっこ。

 

Theyがネイとしか聞こえない。

ゼイじゃないのか。

 

いや、過去の認識を改めよう。

ゼイともネイとも発音するのだ。

 

できない自分を許容しつつ、完璧を目指さず、とにかく続ける。

 

第一回のTOEICは、勉強を始めて3ヶ月後に受けた。(8/22)

結果は685点。

リスニング350点

リーディング330点

 

結構手応えがあったものの、

思ったより高くて驚いた。

 

目標を段階に分けた。

700点の次は800点。

 

リスニングができていない自覚があったし、

リスニングの方が点数がとりやすいらしいし、

リスニングの方が受験者の平均点が高い。

 

テストの時にテクニックを使ったので、それを封印することにした。

点数が伸び悩みそうだし、力がつかなそうなので。

(選択肢を眺めながら、音声を聞いて、答えを探す方法)

 

全ての音声を聞いて理解して、正答する王道をいこうと思った。

 

20日後のTOEIC715点。(9/12)

リスニング345点(ー5点)

リーディング370点(+40点)

 

リスニングは、前回がテクニックで得点したのと、

できすぎていたので、納得の点数。

 

リーディングは思いの外上がった。

リスニングで、英語の語順で前から理解する癖がついたのか、

早く読めるようになった。

また、理解しながら読めた。

 

リスニングに注力することで、

リーディングが上がったのは意外な結果だった。

 

ひとまず、当初の目標は達成した。

 

3回目のTOEICは2ヶ月半後に予約。

 

今の地道な勉強を毎日続けるのみ。

他の参考書に手を出すのではなく、

何度も同じテキストを繰り返す。

 

なぜ聞き取れないのか、なぜ覚えられないのか等々、

イライラした時は、発想を変えることにした。

 

これができれば、もっと点数が上がる。

できない理由を探すよりも、できた後のことを考えると、

気持ちが高揚する。

 

同じ時間を、どんな時間として過ごすかは、自分次第だ。

「自分が自分をコントロールする」という意志を大切にした。

 

これは、TOEIC学習で実践的に学んだ教訓のひとつだった。

これだけでもT OEICを勉強してよかったと思う。

 

3回目のTOEICは810点。

リスニング420点(+75点)

リーディング390点(+20点)

 

とてもうれしかった。

 

しかし、手応えは全然なかった。

700点前後とも800点前後とも判断がつかなかった。

 

リスニングが難しすぎて、途中放心した。

4問連続でわからない場面があり、

本当に英語を話してるのか疑った。

 

TOEIC800点は結構高い目標だと思っていた。

確かに達成したのだけれど、まだまだだ、ということを知った。

 

謙遜ではなく、800点の得点は、

音声の8割を聞き取れていることを示しているわけではない。

5割聞き取れて、正答が8割なだけくらいのイメージ。

 

TOEICを受ける前は、800点とれば、結構聞き取れるんじゃないかと思っていた。

しかし、全然聞き取れてはいない。

 

聞き取れる英語を地道に増やしていくことが大切だという、

ありふれた答えに辿り着く。

 

点数=英語力とはならない。

 

毎日、少しの時間でも、学びに時間を使うことで、

精神的にもよかった。

 

毎日成長に時間を使っていることが、自信になった。

これは、得点が伸びているいないにかかわらず、

毎日勉強しているという自分自身を信頼できるということ。

 

自分で自分にした約束を守るということが、

自分の人生に規律を生むのだということを知った。

 

これまでの自分は自律をしてこなかったのだという気づき。

すなわち、一人の人として自立もしていなかったという気づき。

 

TOEIC学習で英語力が格段に上がったということはないけれど、

学習自体からの教訓は多かった。

 

これからも学びを続けていく。