「0秒思考」という本を積読していた。
1年ほど熟成した。
「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉がある。
とかく、格言は沈黙を評価している。
今は反対に、
雄弁を金としているきらいがある。
歴史が一直線状に進化していくものならば、
雄弁が金だ。
歴史が紆余曲折あるものならば、
歴史に倣えば、今が例外で、
沈黙が金だ。
優劣を言うわけだけども、
銀だってめちゃくちゃいい評価だ。
とすると、沈黙は金なのかもしれない。
今だって。
沈黙は、貴重だ。
雄弁を大衆が追いかける。
沈黙は誰が追いかける?
人は、何かを話したい生き物だ。
その欲望に抗って、沈黙することは、
むずかしい。
本能に逆らって、
自分を制することがむずかしい。
沈黙は金。
沈黙、それ自体に価値があるということは、
置いておいて、
沈黙することを選択できていることに、
価値があるのかもしれない。
人はみな、話したい。
話を聞いてくれるように、
話術を磨いたりする。
そこで到達できるのは、銀だ。
沈黙の自制心は、
何によって鍛えられるかはわからない。
しかし、話すことを自制したとき、
代わりにできることといえば、
聴くことがだ。
賢者は、沈黙し聴く。
「0秒思考」は、
銀の本だとおもう。
しかし、銀を携えて、金でいることを目指すのも一興だ。