一汁一菜という希望

 

みそを買った。

 

東京・江東区・亀戸の「佐野みそ」。

 

全国のみそが70種類ほどある。

出汁、調味料、漬物なども豊富。

 

昨年、初めて訪れた。

今年、土井善晴さんの著書「一汁一菜でよいという提案」に感銘を受けた。

 

そして、一汁一菜という生活を始めた。

毎食ではなく、一日一食くらいを一汁一菜にしている。

 

せっかくだから、みそや出汁そして漬物にこだわろうと思って、

佐野みそ再訪。昨日で4回目だったかな。

 

今までは、割高の200グラムのカップを購入していた。

使いやすいので。

 

一汁一菜が安定してきたこともあり、

500グラムを3種類購入した。

 

みそは、種類がありすぎるし、奥が深い。

初心者目線では、色で3種に分けて考えている。

黒、赤、白の3種類。

 

黒には、一般的に「赤だし」と呼ばれている渋めの味の味噌が含まれる。

白は、甘めで、あっさりしている。

赤は、白と黒の間のいったかんじ。

 

赤が使い勝手がいい。

黒は毎日だと少し飽きる。たまにだととてもいい。

白は甘くて、上品なので、具材も薄めの味のものの方がいいかもしれない。

 

みそについて、ほとんど興味も持ったことがなかった。

だから原料が、米、豆、麦などに別れていることも、

味の違いもほとんど意識することもなかった。

 

もちろん味噌汁は好きだ。

 

みそにこだわり、出汁をとるようになり、旬の食材を求めるようになってから、

味噌汁がもっと好きになった。

 

食材から出汁が出るということも意識するようになった。

特に魚や肉はものすごいから、出汁は不要だったりする。

出汁が面倒なとき、出汁の強い食材を入れておけば、うまい。

 

味噌汁と漬物とごはんの食生活は、質素と感じた。

しかし、続けているうちに「ごちそう」になっていった。

 

それは慣れだけでないと思う。

一つ一つのものに感謝するようになったからかもしれない。

 

漬物ひとつを味わうようになり、

味噌汁を味わい、

お米を味わう。

 

今までは、おかずを食べて、味の中和のためのお米だったり、

ついでの漬物だった。

おかずを味わうための、お米であり、味噌汁だった。

 

今は、お米がごちそうで、味噌汁は胃や心に沁みわたり、

漬物は、素材を味わうものになっている。

豊かな食になった。

マインドフルネスや瞑想に近い感覚。

 

もちろん今でも、ハンバーグや餃子などパンチのあるものも食べている。

そしておいしいと思っている。

たまに、とても食べたくなる。

 

メインに何を据えるか。

それは、お米と味噌汁と漬物がいい。

 

ミニマリストになりたいわけではない。

 

ただ、一汁一菜をやってみて、思いのほか豊かになった。

心も身体も頭も。

 

食べ物への感謝が増えた気がする。

今までは、それほど感謝していなかった。

 

コンビニ弁当はうまいと思っていた。

今は食べたいと思わない。

ここ1年食べていない。

 

食事を作るのは大変で、

重要であることをわかりながら、

大変だから後回しになる。

 

一汁一菜は、希望だ。

 

自分なりに試して、まずくてもいい。

何を入れてもいい。

あまりものを入れればいい。

気楽にやればいい。

 

前日に2リットルのペットボトルに昆布を入れておく。

鍋に入れて、沸かして、食材を入れる。

火が通ったら、止めて、みそを溶かす。

それで終わり。

 

初心者は、火が通るタイミングがわからない。

でも火が通ってなくても、食べられるという、

非完璧主義が、救いになる。

 

レシピ通りに作ることを繰り返して、

なんとなく感覚を磨いて、

あるところからは、自分の感覚にシフトしていく流れになる。

 

料理は完璧でなくていい。

失敗していい。

それをおもしろがることが大事なのかもしれない。