歴史的梅雨明けに、新調傘が行き場を失う。

 

梅雨明けが早くて、

電力の次に、水が不足するのかもしれないと

思い始めつつ、折り畳み傘を新調した。

 

日本橋馬喰町の小宮商店。

傘専門店。

職人さんでも1日に4本しか作れないらしい。

 

4年ほど前に、一度買い求めた。

2万円くらいした。

そして、その年のうちになくした。

 

それまで、ビニール傘派だったので、

2万円の傘は、ビニール傘が40本分と思うと、

高いよなぁと思う。

 

そして、傘を開く、畳むの動作でいうと、

圧倒的にビニール傘が便利だ。

 

長傘の不便な点は、

電車に座るときに、どう持ったらいいかわからないところだ。

 

あんまり座席から前に傘の先端が突き出ると

乗客に迷惑だ。

そうはいっても、垂直に立てると不自然な高さになる。

 

片手が塞がる。

 

基本的に持ち物なしに、

外出したい派のわたしは、

長傘を持ちたくない。

 

かさばるのは、悪だ。

 

さて、梅雨は明けた。

折り畳み傘を新調して、

梅雨が待ち遠しかった。

 

今年は、過去最速の明けということだ。

 

ほとんど梅雨らしい雨がないまま、

折り畳み傘は、

折り畳まれたまま活躍の場をうしなった。

 

折り畳み傘の新調により、

梅雨を満喫する精神を手に入れたと思ったのだが、その目論見ははずれた。

 

梯子を外されたわたしは、

それでも来年の梅雨を見据えて、

カンカン照りのアスファルト

足速に進んだ。