紫から赤。
人間は、紫外線や赤外線は見えない。
紫から赤までは、色として認識できるけど、
その範囲外は、色として認識できない。
それは、存在しないということではなくて、
ただ、見えていない。
これは、認識の話だ。
動物が会話していると思っている人は、
どれだけいるだろう。
方言を話すネズミがいるらしい。
私たちの認識の範囲では、
動物同士が会話しているというのは、
メルヘンの世界だ。
しかし、それはメルヘンの範囲ではなく、
現実の範囲だった。
人は、さまざまな分野において、
盲目であったり、明晰であったりする。
見えている範囲が、限られているのと同様に、
思考においても、範囲は人によるのかもしれない。
それは、人にとどまらず、
動物にも当てはまるのかもしれない。
動物は、人とは比べ物にならないほど、
広い範囲のコミュニケーションを取っているかもしれない。
私たちにとっての、紫外線や赤外線の範囲のコミュニケーションがあるのかもしれない。
そしてそれは、私たちには見えない。
見えないから存在しないのではなく、
見えないけれども存在しているのだ。