十五夜。
ベランダで眺める。
統一感のないビルたちの上に輝く、
双眼鏡で覗いてみると、
明るすぎて眩しかった。
こういうイベントをあまりしない家庭で育ったから、一人暮らしでもこんなことはしなかった。
2年前から同棲して、
今年結婚した。
相手が、こういうイベントをする家庭に生まれていて重視するので、影響を受けたというか、いやが応でも開催している。
それは、ありがたいと、思う。
さて、木々の上空や、湖に反射している月を眺めることができたら、美しいと思う。
私はビルが並ぶところに住んでいるので、
殺風景な感じで残念ではあった。
しかし、たまに眺める月より、白くてくっきりと見えた。
目を薄めると、光が伸びて、四方に光の帯が伸びていった。
星の光は、何年も何万年も前に放った光だ。
つまり、今見ている星は、過去の光だ。
そう考えると、
現在は現在だけに囲まれていると思っていたが、星の光は過去の光であることからすると、
現在と過去は混ざり合っているのかもしれないとちょっと思った。
月というより、
星の話の方が多かった十五夜だった。