「かもめ食堂」
「パンとスープと猫日和」
を見てから見た。
キャストが同じなので、
登場すると笑ってしまう。
近年、映画を早送りで見る人が多いらしい。
話の展開こそが映画のおもしろさだ、
という考え方ならばそれでいいのかもしれない。
私もYouTubeの書評動画は早送りで見ている。
知識や全体像をサッと知りたい時にいいような気がする。
ただ、この映画のように展開があまりないと早送りしないほうがいい。
この種の映画は余白の映画だから、
早送りによって余白が消えると、
さらにわからなくなりそうだ。
それは知識の映画ではない、とも言えるかもしれない。
早送り思考ではなく、
別の思考で見ることが必要だ。
それは、
映画のペースに自分が合わせるといったことかもしれない。
効率のいい生き方みたいなものに、
異を唱える映画だから、
効率的な見方をしない構造を備えているのかもしれない。
とにかくこの制作チームは、
登場人物を「ひとり」にするなぁ。
カップルや結婚している様子が映し出されることがないことに気づいた。
どこか隠な部分を抱えた人たちが、
それでも楽しくというか、
自分を生きるといったような
そんなテーマがあるように思う。
非日常を生きるのでなく、
日常を日常としてまっとうに生きる。
簡単そうでむずかしいことを気づかせてくれる。
娯楽としての映画というよりも、
教化的な映画だなぁと思う。
のんびり生きようとか自然と共にとかじゃない厳しさも、そこにはあった。